2011年10月2日日曜日

「神様のサービス」を読んで

神様のサービス 感動を生み出すプラス・アルファの作り方 (幻冬舎新書)
神様のサービス 感動を生み出すプラス・アルファの作り方 (幻冬舎新書)
 小宮一慶氏CSに関する1冊!。小宮さんの本は結構前から読んでおり、個人的には1読者として尊敬し、書籍や記事はよく読ませて頂いている。「1秒で分かる財務諸表シリーズ」などベストセラーも多く出版している。そんな小宮さんが出したのはサービス業の神髄を語った本。
サービス業にも様々な形態があるが、顧客と接する仕事ならば一度は読んでおきたいものである。
本書の印象に残った部分、要約・感想を以下に。
■最適なQPSの組み合わせ
品質(Q)・価格(P)・サービス(S)の頭文字をとってQPSという。
・お客様が求める他者との違いがどこにあるのか。何が打ち出せるのかを見極めながら、短期的あるいわ中長期的な視点でお客様にとって最適なQPSの組み合わせを考える。
対応力の優れた会社が価格や品質でも他社より優れたものを提供できる。
いいサービスが提供できないなら価格を下げる。価格は悪くても、徹底的なサービスで満足度を上げる。組み合わせでサービスの価値は決まるのだ。

■見えないところに手を抜かない徹底ぶり
東京ディズニーランドでは、お客様をゲスト、働くスタッフをキャスト、全員がゲストを心からおもてなしするというお客様志向が徹底している。
・たとえ席が空いていてもぎゅうぎゅう詰めにしない。1970年代の遊園地では当たり前だったその光景を変えた。
お客様に自社の都合を押し付けるか、お客様の視点に立ったか、大きくで明暗が分かれた。
相手の目線に立つかどうかがとても大切。ディズニー本はこの本にかかわらず高い評価を受けている。震災時にも高く評価されたと言われている。

■お客様に関心を持つ
お客様の視点にたつことは、つまりお客様に関心を持つこと。言い換えれば優しさである。
・お客様は何を不自由に感じているか何を望んでいるのかに興味を持つことが大切。
・良い会社は良い従業員に長く働いてもらえる会社。
お客様をよく観察すること。深堀して考えることがとても大切。相手の言葉を素通りすることもできる。そこになにか感じることができるかがとても大切。

■満足をとことん徹底すると感動がある
・お客様のために何ができるかを徹底してとことん追求すれば感動がある。
・「満足」をとことん追求すれば、お客様の満足を徹底している会社は、誰かに伝えたいとして、リレーション・マーケティングとしてでいうところの「代弁者」となる。
積み重ねによって感動が生まれる。当たり前のことを積み重ねていくことに意味がある。とっぴなことをしない。

■クレーム対応の3原則
①ただちに対応する、②上司に報告する、③自分が思っているより100倍大変なことだと思って対応する、の3点である。一次クレームのときにすぐに対応すればお客様との絆が深まる可能性あり。対応が遅く2次クレームになると、取り返しがつかない。
クレームは会社全体で共有する姿勢がとても大切。内部志向の会社は、自分のことを守りに入るためクレームを隠すだけでなく、クレームをクレームと思わなくなる。
クレームは必ず発生する。そこをいかに対応するかがとても大切。クレーム対応力が企業の強みだと小宮氏は述べている。とは言っても、クレームゼロ運動は意味がない。クレームをクレームだと気付かいない方が問題だと述べている。新人の研修でもこの部分はやったなあ。ここ何十年で顧客折衝業ってのも結構考え方が変わったんだろうなと思う。

■お金を追うな・仕事を追え
・お客様のため、ひいては社会のために良い仕事をすること。それが結果としてお金になる。
・経営ビジョンに掲げ、そのことを全社員一丸となって徹底、良い商品・良いサービスが提供できる会社。
小宮氏のこの本に寄せるメッセージ。サービス業にかかわらず、BtoBのビジネスであるにせよ「お客様のことを考える・使用する人間のことを考える」ことがとにかく大切なのだ。顧客折衝行でない、エンジニアであってもそれを手に取る人のことを考える。

【まとめ&感想】
本書には各企業の実例が挙げられて、CSの徹底している会社やそうでない会社の実態があげられている。マニュアルのみにしばられず、さらにプラスアルファ顧客満足度を飛躍的にあげる仕組みが示されている。自分もサービス業で働く一員として、顧客対応を行う存在として、大切にしたい言葉がいくつも示されていた。
小宮一慶さんの本は、財務分析系で評価されてきているが、こちらもなかなかいい本であった。小宮さんは独自の哲学を持っており、にすごく共感できる。東京三菱銀行→コンサル→→PKO支援→介護福祉業→コンサル起業というあらゆる分野で経験し、自分の糧にしてきた部分があるのだろう。

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