2011年10月22日土曜日

「仕事が速い人のすごい習慣&仕事術」を読んで

仕事が速い人のすごい習慣&仕事術 (PHP文庫)
仕事が速い人のすごい習慣&仕事術 (PHP文庫)

見たことも聞いたこともない著者だったが、なかなかいい本だった。当たり前だけど大切にしたい習慣・考え方がトピックごとに述べられていた。
経歴を見ると、MBA。KPMG、プライスフォーターハウス、起業とすごいキャリアの人だ。本人いわく、学生時代まではほんとにダメな人間だったと言っている。たしかにそういう人の方が説得力はある。
参考になった部分と感想を以下に。

■朝に勝つ
・朝に勝っている人は、寝る際に翌朝勝てなかったことに対する危機感を持っている。
・目覚めと同時にその危機感が蘇ってきて自身の生活や行動に対する責任感へと転換する。
とにかく朝から徹底して動く人は強い。確かに朝からバリバリ勉強している人は仕事もできる。朝眠たいまま電車にゆられてもテンションは低いままである。グット早起きして一気に活動するのがベスト。朝のスタートダッシュには確かに眠気は大きな障壁になる。

■気配りを徹底する
・どんな人に対しても気配りを徹底すれば、みんながあなたのことを好きになる。それを続ければ好きを通り越してファンになる。
営業している自分を売る。顧客から好かれるかがとても重要。
相手を思いやるこころが営業の基本だろう。

■すべてに期日をつける
「夢に日付を付けよう」とは、ワタミの社長の言葉。ひとつひとつやるべきことに期日をつけて実行していなかければ、当然目標は達成できない。
夢を達成するためには、そのためにやらなければいけないこと日付を入れていくことと同じ。
期日がなければなあなあになってしまう。それはみんな同じことだろう。みんなに宣言するのも一つの手だろう。

■目標に早く近づく強い決意と深い祈り
・渋沢栄一は、今日一日で人生が終わると考えて生きてきてた。
・その目標に対する強い決意と深い祈り、あなたの言動を大きく変える。やることの一つ一つに対して真剣になる。
・日産のカルロス・ゴーン氏の言葉に「目標を達成するために大切なこと、その目標に対して強くコミットメントすること」である。
1日は完結する。1日でどれだけ勝負できるかは、朝に強くコミットメントすることが大切である。

■反省・決意の日記を書く
・反省のポイントを整理・把握し。明確にきちっと書くこと。
・日記は同じミスや失敗を繰り返さないためのいい手段
・起こった事実を正確に把握。なぜ自分はそのミスをしてしまったのかを冷静に分析
・心の準備として、就寝前の反省と決意が必要。
この本を読んでからは自分もできるだけ簡単な日記をつけることにしている。一種の自己暗示に近いツールかもしれない。今までの自分にはできないこともできるようになる。

■わからないことはその場で聞く
・依頼された相手が午前中にいなくなることを想定して聞くこと。
バカとか飲み込みが遅いとかはどうでもいい。その依頼事項を実行できるまで徹底して聞きまくる。
仕事はわからないことがなくなるまで聞きまくる姿勢が必要である。うざいと思われるぐらいが必要なのだろう。


■明日やることの確認と準備をする
・朝出社して準備もなく仕事を始めるのと、すでにしっかり順序だててお膳立て・準備ができているのとでは成果が大きく違ってくる。
・特に十分な確認準備をその都度していかないと目上であればあるほど、へそを曲げられたり相手にされなくなったりする。
・目標が達成できる人は、必ず人よりも先々のことを考え、事前に手を打ち準備する。だから人よりも成果がだせる。
・彼らは知っている。仕事を成功させるカギ事前準備であること。
事前準備の大切さが綴られている。岩瀬大輔さんの本にもよく書いてある。徹底的に準備してかかってこいという状態にしてから勝負する。

■休日と平日の夜に工夫して勉強する時間をつくる
・明確に目標を定めどれだけ休日か夜に努力したか。世の中どんどん変わっているから、過去の知識や経験だけでは勝負できない。
個人レベルでどれだけ勉強したか勝敗の分かれ目となる。本・雑誌・DVDを使って個人でどんどん勉強してもよい。
徹底して勉強する姿勢が大切。どんなに営業でがんばっても、最終的には知識の底上げはとても大切なのだ。ただ資格のための勉強になってはダメだ。

【まとめ&感想】
よく上司が「休日に遊んでるだけのやつは絶対伸びない」と言っている。本書を読んでそれを再確認したという感じがする。
この著者の本は、初めて読んだが、なかなかいいことが書いてあった。当たり前だろうと思うことがほとんどなのだかやっぱり自分はできていないと思わせられた。当たり前の羅列だけどできていないからそれを実践することに意味があるのだ。

2011年10月10日月曜日

「道をひらく」を読んで

道をひらく
道をひらく

 松下幸之助氏によるベストセラー本。経営哲学がトピックに分けられて書かれている。戦後日本復興の象徴ともいえる本からも知れない。時代は違えどそこに通じるものはあるだろう。
最近いろんな本を読んでいると、「松下幸之助がモデルの時代は終わった」・「高度成長時代の古き良き時代ではない」などという言葉をよく聞くようになった。
たしかに同じことをコツコツとひたすら続けて、花を開かせる積み上げ型の社会ではなくなったのは事実だろう。それにも共感はできる。
しかしながら、幸之助氏が語った人としての正しさ・良心はいつの時代でも変わらないだろう。
以下の2トピックは、この本の一部のコピーを人事部の方がコピーして新人に向けて渡してしてくれたものである。

■道
・自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。ほかの人には歩めない自分だけしか歩めない。二度と歩めぬかけがえないこの道。広いときもある。狭い時もある。のぼりもあればくだりもある。この道が果たして良いのだろうか。思案にあまるときもあるだろう。なぐさめを求めたくなるときもあるだろう。しかし、所詮はこの道しかないのではないか。
・あきらめろというのではない。今立っているこの道を今歩んでいるこの道をともかくもこの道を休まず歩むことである。自分だけにしか歩めない大事な道ではないか。自分だけに与えられたかけがないのない道ではないか。

■自分の仕事
・どんな仕事でもそれが世の中に必要になればこそ成り立つので、世の中の人々が求めなければその仕事は成り立つものではない。だから、自分の仕事は自分のやっている自分の仕事だと思うのはとんでもないことで、本当は世の中にやらせてもらっている世の中の仕事なのである。ここに仕事の意義がある。
・仕事が伸びるか伸びないかは世の中が決めてくれる。世の中の求めるままに自然に自分の仕事を伸ばしていけばよい。
・大切なことは、世の中にやらせてもらっているこの仕事を誠実に謙虚にそして熱心にやることである。世の中の求めに精一杯こたえることである。おたがいに仕事の意義を忘れたくないものである。

【まとめ&感想】
松下幸之助氏の人生観・経営哲学を物語る2トピックである。「世の中にやらせてもらっている仕事」とは深く考えされられる1節である。

2011年10月2日日曜日

「神様のサービス」を読んで

神様のサービス 感動を生み出すプラス・アルファの作り方 (幻冬舎新書)
神様のサービス 感動を生み出すプラス・アルファの作り方 (幻冬舎新書)
 小宮一慶氏CSに関する1冊!。小宮さんの本は結構前から読んでおり、個人的には1読者として尊敬し、書籍や記事はよく読ませて頂いている。「1秒で分かる財務諸表シリーズ」などベストセラーも多く出版している。そんな小宮さんが出したのはサービス業の神髄を語った本。
サービス業にも様々な形態があるが、顧客と接する仕事ならば一度は読んでおきたいものである。
本書の印象に残った部分、要約・感想を以下に。
■最適なQPSの組み合わせ
品質(Q)・価格(P)・サービス(S)の頭文字をとってQPSという。
・お客様が求める他者との違いがどこにあるのか。何が打ち出せるのかを見極めながら、短期的あるいわ中長期的な視点でお客様にとって最適なQPSの組み合わせを考える。
対応力の優れた会社が価格や品質でも他社より優れたものを提供できる。
いいサービスが提供できないなら価格を下げる。価格は悪くても、徹底的なサービスで満足度を上げる。組み合わせでサービスの価値は決まるのだ。

■見えないところに手を抜かない徹底ぶり
東京ディズニーランドでは、お客様をゲスト、働くスタッフをキャスト、全員がゲストを心からおもてなしするというお客様志向が徹底している。
・たとえ席が空いていてもぎゅうぎゅう詰めにしない。1970年代の遊園地では当たり前だったその光景を変えた。
お客様に自社の都合を押し付けるか、お客様の視点に立ったか、大きくで明暗が分かれた。
相手の目線に立つかどうかがとても大切。ディズニー本はこの本にかかわらず高い評価を受けている。震災時にも高く評価されたと言われている。

■お客様に関心を持つ
お客様の視点にたつことは、つまりお客様に関心を持つこと。言い換えれば優しさである。
・お客様は何を不自由に感じているか何を望んでいるのかに興味を持つことが大切。
・良い会社は良い従業員に長く働いてもらえる会社。
お客様をよく観察すること。深堀して考えることがとても大切。相手の言葉を素通りすることもできる。そこになにか感じることができるかがとても大切。

■満足をとことん徹底すると感動がある
・お客様のために何ができるかを徹底してとことん追求すれば感動がある。
・「満足」をとことん追求すれば、お客様の満足を徹底している会社は、誰かに伝えたいとして、リレーション・マーケティングとしてでいうところの「代弁者」となる。
積み重ねによって感動が生まれる。当たり前のことを積み重ねていくことに意味がある。とっぴなことをしない。

■クレーム対応の3原則
①ただちに対応する、②上司に報告する、③自分が思っているより100倍大変なことだと思って対応する、の3点である。一次クレームのときにすぐに対応すればお客様との絆が深まる可能性あり。対応が遅く2次クレームになると、取り返しがつかない。
クレームは会社全体で共有する姿勢がとても大切。内部志向の会社は、自分のことを守りに入るためクレームを隠すだけでなく、クレームをクレームと思わなくなる。
クレームは必ず発生する。そこをいかに対応するかがとても大切。クレーム対応力が企業の強みだと小宮氏は述べている。とは言っても、クレームゼロ運動は意味がない。クレームをクレームだと気付かいない方が問題だと述べている。新人の研修でもこの部分はやったなあ。ここ何十年で顧客折衝業ってのも結構考え方が変わったんだろうなと思う。

■お金を追うな・仕事を追え
・お客様のため、ひいては社会のために良い仕事をすること。それが結果としてお金になる。
・経営ビジョンに掲げ、そのことを全社員一丸となって徹底、良い商品・良いサービスが提供できる会社。
小宮氏のこの本に寄せるメッセージ。サービス業にかかわらず、BtoBのビジネスであるにせよ「お客様のことを考える・使用する人間のことを考える」ことがとにかく大切なのだ。顧客折衝行でない、エンジニアであってもそれを手に取る人のことを考える。

【まとめ&感想】
本書には各企業の実例が挙げられて、CSの徹底している会社やそうでない会社の実態があげられている。マニュアルのみにしばられず、さらにプラスアルファ顧客満足度を飛躍的にあげる仕組みが示されている。自分もサービス業で働く一員として、顧客対応を行う存在として、大切にしたい言葉がいくつも示されていた。
小宮一慶さんの本は、財務分析系で評価されてきているが、こちらもなかなかいい本であった。小宮さんは独自の哲学を持っており、にすごく共感できる。東京三菱銀行→コンサル→→PKO支援→介護福祉業→コンサル起業というあらゆる分野で経験し、自分の糧にしてきた部分があるのだろう。