2011年9月18日日曜日

「百年たっても後悔しない仕事のやり方」を読んで

百年たっても後悔しない仕事のやり方
百年たっても後悔しない仕事のやり方


ライフネット生命の社長の力作。岩瀬大輔さんの本ばっかりフォーカスしてきたけどやっぱりこの人もすごい!日本生命のロンドン現地法人社長・国際業務部長などを経て退職してから、なんと60歳からベンチャーを起業してしてしまうというエネルギー。
岩瀬さんにして「ほんとに話がおもしろい人」と言わせてしまう人。出口さんはなんというか「知の巨人」っていう感じの人。人間力というか、人としての厚みを感じる重鎮である。

■働くことが生きること
・仕事をすることをやめてしまえば、社会との関係を断つことに他ならない。
・多くの人は仕事に努力と工夫を重ねて、じわじわと自分の好きな仕事に変えていく。
最初から自分の好きな仕事、天職だと思える仕事に就ける人はいないはず。仕事に向きあいながら変えていく。

■余計なことを考えないこと
結婚のこと、子供の将来のこと、プライベートな問題は、合理的な判断だけでは解決しきれない場合が数多くある。
・なぜなら恋愛や進学、就職や転職には生きていくうえで私たちが直面するいろいろな人間関係や問題には矛盾があったり、論理だけでは説明しきれない面も多くある。
・逆に会社の仕事は、どんなビジネスをやろうとか、どうゆう商品を売ろうとか、会議用の資料を作ろうとか、必ずそこには明確な目的な目的があり、合理的な理由がある。しかし、多く人が仕事の企画や報告書類で正しい解答を逃してしまうことがよくある。
・理由は、①主観をいれてしまうから、②会社の人間関係を考えすぎるから。
・フランスでの教え:「カップルで喧嘩をしたら、ともかく星付きレストランでもいきなさい」
仕事はとにかく合理的に考えるべき。徹底して目的のための合理化・明確化を行うべき。余計なことを考えないことが大切なんだろう。

■社長になったつもりで
・大阪本店時代に上司から言われた言葉「社長になったつもりで仕事せよ」
・「よく考えてみろ。会社で大切な案件は全部役員会にかかるのだ。その資料はどこにあるんだ。企画部にあるんじゃないのか?会社で起きていることやはじまろうとしていることがわからないはずがないだろう。」
全体としての価値の序列がどこでついているか、それを見極めて実行する。それが社長が行うこと。これを整合性という。
出口氏は会社全体を見渡して各部門の整合性の見極めながらことを進めていくことの大切さを本店の企画部時代に学んだのだろう。

■お客様がいちばん大切な相手
保険業務の公務部長時代の話。「ただいま部長は打ち合わせ中です」をやめさせた。
・営業部門のお客様との応対は、サービスの悪い役所のようであることは許されない。役所の事情で市民を待たせることが非難させるように、営業部門の都合でお客様を待たせることは想定外の話である。
出口さんが保険営業の現場で培ってきたCSの考え方がわかる。今の僕の仕事にもこれは言える。とても大切な心構えだろう。

■火事場の馬鹿力を信じよう
・ある時上司にマージャンに誘われて残業があることを伝えると、「きみだったらその仕事朝早くきてやればできるよ。」
・アスリートの驚異的な神業は、日々の練習で積み重ねてきた集中力が爆発したもの。
人はあるとき信じがたい力を発揮する。
集中力を徹底して伸ばす。仕事のみに集中できる自分なりの工夫や習慣、スタイルを自分でつかんでいく。

■社員が朝目覚めて行きたくなる会社をつくろう
・楽しくなく気分が沈んでいる社員が、すぐれたアイデアが生まれるとは思えない。
・グーグルの経営者の言葉「会社ではたらいていても、一日2時間はグーグルのことは考えてはいけない。自分の好きなことや趣味について使うとか、勉強やスポーツをしなさい。」
楽しいと感じるとき、人は一番力を発揮できる。
ワクワクする感覚。なんか楽しい。この感覚がエナジーの源泉になるのだろう。職場は楽しくなくちゃ意味がない。そんなことを最近よく思う。人を絞めつけたり、押し殺したりする職場はほんとによくない。あなたはなんのために働いてますか?

■学力と教養に自己投資しよう
「人間がどのように生きて、苦労して、バカなことをやり社会を作ってきたか。そうゆうことを知ることが教養である。」
・国際業務部長時代・海外の金融機関のトップクラスの方はほとんどマスターかドクターだった。英語も当たり前に話せる。
・いま積極的に自己投資を続ける人が、将来若いライバルとのレースに大差で勝つことになる。
巨人の方の上にのって広い世界を見渡そう!人生というものは気まぐれなジェットコースターみたいなもんだ。

■読書について
・哲学者の木田元の言葉。「この人はどうゆう気持ちでこういう文章を書いたのだろう。」追体験をしていくことが必要。何かを学ぼうと思ったら、一生懸命に気持ちを集中して読まなければ身に付かない。
・師匠である高坂正堯氏の言葉。「ひたすら古典を読みなさい。数多の先達の洗礼、時代の洗礼を受けてきたのだから、内容に間違いがない。現代著者を読んで分からなければ、著者が無能なので読む必要はない。」
古典を読むことの大切さはいろんな人が良く話す。自分もそろそろ古典をかじってみようかな。

【まとめ&感想】
よみごたえのある深みのある一冊である。出口さんが大変な読書家・勉強家であるのがよく分かった。あとがきの小野田さんは、「このひとは経営者かbなのかステーツマンなのか。出口さんという人が深く流れる河のように思えてくる」なんて述べているけどそんな幅の広い人なのだ。

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