2011年9月25日日曜日

「脳を活かす勉強法」を読んで

脳を活かす勉強法
脳を活かす勉強法

 脳を活かす勉強法の一冊である。大学院の2年生の時に読んで、共感する部分が多くその後時より読み返している。「勉強することは自分という存在を輝かせる」という言葉がとても胸に響きそれ以来、サラリーマンになった今もたまにこの本を持ち歩きたまに読み返している。茂木さんはさすがに脳科学者だけあって「知」を極め凌駕しているような人だからなおさら興味を持った。余談だが大学院時代はいろいろな人や書物に出会えてホントによかったと今では思っている。
茂木さんに興味を持ったのはツイッターがきっかけ。なんかテレビ番組ではうさんくさい人だとずっと思っていて興味がわかなかったけど、ツイッターをきっかけになんておろしろい人なんだ!と感心して、いろんな書物を読んでみるようになった。
興味を持った部分や要約を以下に。


■突き抜ける感覚は絶対クセになる
・「え・こんなこともできたの!?」ってと意外性が強ければ強いほど喜びが大きくなる。
・昔英語の本を読んでいたときの感覚。最初は分からないが我慢していて読んでいるうちに、突然スらっと頭が楽になりスラスラ英語が読めるようになっている。
・苦しければ苦しいほどその後の喜びは大きく強化される。苦しい状況をなんとかして突き抜けることはとても重要なこと。
最初聞いたときはなんて神がかったフレーズだと思ってしまった。ランニングしている時の感覚と少し近いかもしれない。自分をおいこんで走るとそのときは苦しいが終わったあとすごく突き抜けた感覚に陥る。感覚もすごく研ぎ澄まさせる。

■「アインシュタインみたいになりたい」でいい
ドーパミンによる強化学習のサイクル回すきっかけづくりが大事なポイントがある。
・自分の興味を追いかけていくうちに今の自分にたどり着いたそれでいい。
入口はなんでもいいのだ。
茂木さんが昆虫採集を始めた時からすべてが始まったと語っている。アインシュタインみたいになりたいぐらいでちょうどいい。興味を持っているものに対して貪欲に動くことで自分自身の強化学習が回っていく。

■「喜び」がないと強化学習が回らない
・脳の働きの本質は自発性。脳になにかを強制することがとても難しい。脳はポジティブな経験やほめられた体験をとてもよいものとして受け止める。
・教育過程において基本的に誉めることが大切である。
脳が喜びを感じるためには、「強制させたものではないこと」が大事だからである。何をするにしても自分で選んでいるという感覚こそが強化学習には欠かせない。
自分で選んだ、自分ではじめた、自分が興味をもった。その感覚がとても必要なのだ。

■モダリティを活用して勉強する
カードを用いた勉強法モダリティの統合プロセスを利用した勉強法。一度原文から目を離し、一度頭に記憶したうえで、原文をみながら書き出す作業を行うことで記憶に定着する。
・自分の手で書くことがとても大切なのだ。とにかく大量に読み、大量に書き、大量に聞いて大量に問題を解く。脳が方法を記憶するときの
モダリティを利用した勉強法には脳に大きな負荷がかかる。50メートルダッシュを何回も繰り返すよう焦燥感がある。
この勉強法は大学院時代から利用させて頂いており、資格試験などで用いている。ポイントはカードを作る際に一気に覚えてしまうこと。そのために一回原文から目を離し、一時記憶したうえでカードに書き出していく。

■絶好調の時に感覚を身体に覚えさせる
脳の特性をよく理解する。フローの状態(リラックスして、最大の能力を発揮できる能力)。
・着実に進歩するためには、自分がどこで間違っているのかどんなところが弱いのか性格に把握必要がある。
身体感覚の大切さを語っている。感覚というか質感にせまるのが脳科学者である茂木さんの仕事である。

■あなた弱点が得意分野になる理由
・弱点を抱えた人その弱点を幸福する過程で余人には及ばない領域に達する。
・弱点を努力で克服しようとする時、人は極めて高いモチベーションを発揮する。そしてだんだんできるおゆになるにつちえて大きなうれしさを感じるようになり、さらにドーパミンも多く出きて、脳の教科学習がより進んでいく。
茂木さんは人見知りで昔女性と話すことがすごく苦手だったという。そのために大学の学部を一回変えてしまうぐらいの出来事だったそうだ。人よりコミニケーションで劣っているという感覚を常に持ちそれを克服しようとした結果が何本もの司会者をこなし、今に至るそうだ。

【まとめ&感想】
茂木さんの本は奥が深い。それが脳科学者なのか、文学青年だったからかなのか、すごく感受性が高いからかのか分からない。テレビに映る表面だけでなく、その人のホントが知りたければやはり本やエッセイを読んでみればいい。自分のありのままを素直に書く、素直に語るそれがとても大切なのだ。
最後に読んでみて一番良かった本。
生きて死ぬ私 (ちくま文庫)

2011年9月24日土曜日

「心を整える。」を読んで

心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣
心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣

サッカー日本代表長谷部本!サッカーはそこまで見ないから分からないけれど結構なベストセラーになっているし、人から勧められたため読んでもみることにした。スポーツ選手が書いた本がビジネス書のランキング入りするというのは確かにたまにある。
最初見たときから結構な正当派な選手だなあ(なんとなく見た目だけど・・)と思っていたけど、予想通りやっぱりしっかりしていた。長谷部選手は、読書家であり、結構ものをしっかり考えているし、ストイックでありながらリフレッシュする習慣を語っている。確かにサッカーの日本代表のキャプテンあの若さで統率するわけだけから並大抵のメンタルではないだろう。一番以外だったのは稲盛さんの本とか、ホンダの創業者である本田宗一郎松下幸之助の本を読んだりして自分の糧にしていたという点。改めて感心してしまった。
要約および感想はは以下に。

■意識して心を鎮める時間を作る
・一の最後に必ず「心を鎮める30分」を作ることにしている。
・大事なのはザワザワした心を少しつづ沈静化させていくこと。
・どんな葛藤を抱えていても翌朝には平常心で家を出ていく。
稲盛和夫の言葉「1日1回心を鎮める時間をつくりなさい」。
本のタイトルにもなる長谷部の習慣である。驚いたのは、稲盛さんの言葉からきているらしい。1日の大半をサッカーに費やしている男がまさか稲盛さんのお本を読み、そこから実践しているなんて。

■マイナス発言は自分を後退させる
サッカーというのはいろいろな要素や人間が複雑に絡み合っているし、ミスを人のせいにしやすいスポーツ。いくらでも責任を押し付けることができてしまう。
・愚痴でうさばらしするのは、自分の問題点と向き合っていないから。
愚痴だけでなく負の言葉すべて現状を捉える力を鈍らせてしまい自分で自分の心を乱してしまう。心を正しく整えるためには愚痴は必要ない。
あたりまえのことだがその通りである。試合でのプレー中に起きた葛藤をベースに体験談を語っている。どんなときでも心を整えて、プレーを乱さない。

■お酒の力を利用しない
・お酒の席では仕事のことを忘れて、楽しく飲むことがベストである。
・お酒の力を利用して愚痴を言うのは好きではない。
・お酒の力を借りないと本音が言えない関係が嫌だし。そんな状況で出てきた本音に価値を見いだせない。
このフレーズにはなぜだかすごく共感できてしまった。お酒の席はくだらないことを言って楽しむぐらいがちょうどいい。本音を聞き出すとか、愚痴を言い合うとか、そんな場であるべきではない。同感である。

■孤独につかるひとり温泉のススメ
ひとり温泉というと、話相手もいないし、何をするにはひとりだしなんだか暗いイメージを持たれるかもしれない。恋人がいれば怪しいと勘ぐられるのは確実である。
孤独の時間だからこそできることがある。
・湯につかりながら地平線を眺めていると、自分の考えていた悩みなんてちっぽけなものだと感じられるようになる。日常からかけ離れた時間を贅沢に使う。
このセクションを読んでいるうちになんだか自分も一人温泉に行きたくなってしまった。長谷部選手の意外な私生活の一面を垣間見れる。意外とロマンチストなのかもしれない。

■群れない。
・特定の派閥に属さない。
・全員と信頼関係を築くためには特定のグループに属さない。だから派閥グループのようなものには属さない。
この言葉は意外にも心に響いた。サッカーやってる人ってワイワイ騒いでるってイメージがあるけど長谷部はその中でこんなことを言い出すとは思わなかった。盛り上がる時は盛り上がる。心を落ち着かせるときは落ち着かせる。

【まとめ&感想】
長谷部選手は、ザッケロー二監督からは、精神面心構えの面で評価されキャプテンに任命されたそうである。突出した身体能力フリーキックの力があるわけではない。得意技などもないが長谷部が託されたことにはわけがある。普段垣間見ることのできないいろいろな面を知ることができた1冊である。ビジネスマンもぜひ一読しておきたい一冊だろう。

2011年9月18日日曜日

「百年たっても後悔しない仕事のやり方」を読んで

百年たっても後悔しない仕事のやり方
百年たっても後悔しない仕事のやり方


ライフネット生命の社長の力作。岩瀬大輔さんの本ばっかりフォーカスしてきたけどやっぱりこの人もすごい!日本生命のロンドン現地法人社長・国際業務部長などを経て退職してから、なんと60歳からベンチャーを起業してしてしまうというエネルギー。
岩瀬さんにして「ほんとに話がおもしろい人」と言わせてしまう人。出口さんはなんというか「知の巨人」っていう感じの人。人間力というか、人としての厚みを感じる重鎮である。

■働くことが生きること
・仕事をすることをやめてしまえば、社会との関係を断つことに他ならない。
・多くの人は仕事に努力と工夫を重ねて、じわじわと自分の好きな仕事に変えていく。
最初から自分の好きな仕事、天職だと思える仕事に就ける人はいないはず。仕事に向きあいながら変えていく。

■余計なことを考えないこと
結婚のこと、子供の将来のこと、プライベートな問題は、合理的な判断だけでは解決しきれない場合が数多くある。
・なぜなら恋愛や進学、就職や転職には生きていくうえで私たちが直面するいろいろな人間関係や問題には矛盾があったり、論理だけでは説明しきれない面も多くある。
・逆に会社の仕事は、どんなビジネスをやろうとか、どうゆう商品を売ろうとか、会議用の資料を作ろうとか、必ずそこには明確な目的な目的があり、合理的な理由がある。しかし、多く人が仕事の企画や報告書類で正しい解答を逃してしまうことがよくある。
・理由は、①主観をいれてしまうから、②会社の人間関係を考えすぎるから。
・フランスでの教え:「カップルで喧嘩をしたら、ともかく星付きレストランでもいきなさい」
仕事はとにかく合理的に考えるべき。徹底して目的のための合理化・明確化を行うべき。余計なことを考えないことが大切なんだろう。

■社長になったつもりで
・大阪本店時代に上司から言われた言葉「社長になったつもりで仕事せよ」
・「よく考えてみろ。会社で大切な案件は全部役員会にかかるのだ。その資料はどこにあるんだ。企画部にあるんじゃないのか?会社で起きていることやはじまろうとしていることがわからないはずがないだろう。」
全体としての価値の序列がどこでついているか、それを見極めて実行する。それが社長が行うこと。これを整合性という。
出口氏は会社全体を見渡して各部門の整合性の見極めながらことを進めていくことの大切さを本店の企画部時代に学んだのだろう。

■お客様がいちばん大切な相手
保険業務の公務部長時代の話。「ただいま部長は打ち合わせ中です」をやめさせた。
・営業部門のお客様との応対は、サービスの悪い役所のようであることは許されない。役所の事情で市民を待たせることが非難させるように、営業部門の都合でお客様を待たせることは想定外の話である。
出口さんが保険営業の現場で培ってきたCSの考え方がわかる。今の僕の仕事にもこれは言える。とても大切な心構えだろう。

■火事場の馬鹿力を信じよう
・ある時上司にマージャンに誘われて残業があることを伝えると、「きみだったらその仕事朝早くきてやればできるよ。」
・アスリートの驚異的な神業は、日々の練習で積み重ねてきた集中力が爆発したもの。
人はあるとき信じがたい力を発揮する。
集中力を徹底して伸ばす。仕事のみに集中できる自分なりの工夫や習慣、スタイルを自分でつかんでいく。

■社員が朝目覚めて行きたくなる会社をつくろう
・楽しくなく気分が沈んでいる社員が、すぐれたアイデアが生まれるとは思えない。
・グーグルの経営者の言葉「会社ではたらいていても、一日2時間はグーグルのことは考えてはいけない。自分の好きなことや趣味について使うとか、勉強やスポーツをしなさい。」
楽しいと感じるとき、人は一番力を発揮できる。
ワクワクする感覚。なんか楽しい。この感覚がエナジーの源泉になるのだろう。職場は楽しくなくちゃ意味がない。そんなことを最近よく思う。人を絞めつけたり、押し殺したりする職場はほんとによくない。あなたはなんのために働いてますか?

■学力と教養に自己投資しよう
「人間がどのように生きて、苦労して、バカなことをやり社会を作ってきたか。そうゆうことを知ることが教養である。」
・国際業務部長時代・海外の金融機関のトップクラスの方はほとんどマスターかドクターだった。英語も当たり前に話せる。
・いま積極的に自己投資を続ける人が、将来若いライバルとのレースに大差で勝つことになる。
巨人の方の上にのって広い世界を見渡そう!人生というものは気まぐれなジェットコースターみたいなもんだ。

■読書について
・哲学者の木田元の言葉。「この人はどうゆう気持ちでこういう文章を書いたのだろう。」追体験をしていくことが必要。何かを学ぼうと思ったら、一生懸命に気持ちを集中して読まなければ身に付かない。
・師匠である高坂正堯氏の言葉。「ひたすら古典を読みなさい。数多の先達の洗礼、時代の洗礼を受けてきたのだから、内容に間違いがない。現代著者を読んで分からなければ、著者が無能なので読む必要はない。」
古典を読むことの大切さはいろんな人が良く話す。自分もそろそろ古典をかじってみようかな。

【まとめ&感想】
よみごたえのある深みのある一冊である。出口さんが大変な読書家・勉強家であるのがよく分かった。あとがきの小野田さんは、「このひとは経営者かbなのかステーツマンなのか。出口さんという人が深く流れる河のように思えてくる」なんて述べているけどそんな幅の広い人なのだ。

2011年9月15日木曜日

「入社1年目の教科書」を読んで

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