小笹芳央
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信頼は積み上げるのはとても大変だなあと最近はすごく感じる。なにか一つ失敗すると一気に崩壊するのも確か。
自分のこれまでの学生時代からの遍歴を考えてもみてもいろいろ漂流してここまできたなあという感覚がある。でもまあなるべくしてなっている気がするしあとあと振り返って納得する人生にしたいと思っている。
【まとめ&感想】 気持の持ち方というか概念的な部分が多いがとても参考になると思う。特に新人が感じやすい理不尽さふがいなさにひとつの解を与えてくれると思う。
実は著者の小笹さんの話を就職活動の際に講演を聞いたこといがある。結構な迫力と説得力だったのをよく覚えている。実はこの本はその時ただで配布されていたものである。学生時代はなんかピンとこずにとりあえず本棚においておいたような本である。
リクルート出身でリンクアンドモチベーションというコンサルティング会社を起業している。人事部門の出身であることから採用制度・人事関連の書籍が多い。
印象に残った部分を以下に抜粋・要約。
○信頼残高は約束と実行によって増える
・約束をし、それを実行することによって信頼は築かれる。約束の実行が信頼残高を飛躍的に増やしていく。
・小笹氏さんは、新入社員時代に入社式や内定式で遅刻をしてすごく叱責された過去からどんな待ち合わせにも5分前に行って待っているようにした。周りに遅刻はしませんと宣言し、愚直に守り続けた。
・あいつは遅刻をしない・あいつは仕事に思い入れがある・手堅いなどの印象がひろまっていった。
○たまたまを語れる人生にしよう
・最初に配属された部署に大した意味はない。言い換えれば、ポーカーのカードにようなもの。
・たまたま今の上司に出会えて。たまたまこの仕事を担当して。たまたまこんな勉強をしていて。様々な偶然をよき偶然として語れるように、偶然と出会った覚悟を決めて頑張っておく。それによってキャリアが築かれる。
・偶然が自分には不可欠だったと思えるか、意味づけができるかが大切。
○挫折感や不幸は自分がつくりだしている
・仕事は完璧にすべき。だから挫折感を感じる。もっと自分は評価されてしかるべき。だから評価してくれないとおかしい。論理的に考えば、そんな根拠はない。根拠のない「べき」を捨てれば、自分のこころの挫折感・不幸感はなくなる。
自分の潜入観がつくりだした挫折感は払拭しよう。
○問題は人ではなく間におこる
・特定の人に原因を求めると思考停止になる。問題は本社と支社、営業とアシスタント、営業部と企画部など組織と組織のあいだで起こる。
・自分は間として機能しているか?問題が生じたとき自分がそれをつなぐ結節点となるべき。組織に問題が起こったとき少し視点を変えて自分が目つまりの原因になっていないか考える。
人はそれぞれだから人を責めてもしょうがない。人と人とをマネジメントすることが大切。間に生じた軋轢を解決するのは自分だ。
○ちょうどよかったの呪文でのりこえよう
・ちょうどよかったこれをきっかけにという呪文。どんな失敗やトラブルに見舞われても挫折感や不幸に見舞われることなく、次のチャンスに変えられるか。
・上司が風邪で一人でプレゼンを。ちょうどよかったこれで独力でプレゼンを学ぶ機会にしよう。
・自分の望まない部署へ。ちょうどよかったこれをきっかけに今まで読めなかった本を読もう
・後から振り返って「ちょうどよかった」と言えるように不測の事態にも流されず積極的に向き合える自分でありたい。
どんな事態も積極的に好転させてしまう魔法の言葉だろう。修羅場を乗り越えてきた筆者だからこそこんな言葉がでるのだろう。