2011年1月5日水曜日

「超凡思考」を読んで

超凡思考
超凡思考


 岩瀬大輔さんは、昨年の書評「生命保険のカラクリ」でも紹介しましたが、司法試験合格、BCG、ハーバードビジネススクール、ベンチャーであるネット生保副社長すさまじいキャリアを積んできたすごすぎる人。しかも。HBSでは上位5%の成績と言うなんともカリスマ。
 伊藤真さんは、司法試験業界のカリスマで昔はLECの講師だったらしいけど今は伊藤塾設立。
司法試験業界ではずっと前からめちゃくちゃすごい人だったとの話。最近は憲法の話をよくしていて「とても正義感のあるひとだ」なんていつも思っていた。
 なんでこの二人が対談?って話なんだけど、なんと講師と教え子なのだそうだ。岩瀬さんは大学3年間は伊藤先生の授業を受けており、価値観やしゃべり方など強く影響を受けているそうだ。


印象に残った部分は以下の通り。


■もっと夢を語ろう。目標設定の先の熱い思いが人を動かす。【岩瀬】
ライフネット生命を立ち上げたときも、賛同企業、投資家から132億円の資本金を出資して頂き、事業を開始した。これだけお金を集められたのも人に想いの強さがあったからだと感じている。従来の生命保険会社は停滞、閉塞している日本経済の縮図のような存在
ハーバード大学MBAいちばん力を入れているのは社会起業である。実際に、卒業の一割近くが、NPONGOで経営手腕を発揮している。KKRという伝説的な世界最強ファンドの幹部が南米諸国の銀行に対して低所得者向けの貸付事業に乗り出していた。
岩瀬さんと伊藤先生に共通するのは「情熱」と「正義感」だろう。すごく青臭いんだけど、かっこいい。そんな感覚だろう。ライフネット生命が132億円もの資金調達に成功できた大きな要因は頭の良さでもロジカルな語り口でもなく「情熱」だったのかもしれない。

■諦めなければ大丈夫。目標を設定したらすぐやる。その場で始める。【岩瀬】
・コンサルタントの仕事においてある発見があった。いくら専門書を読み込んでもどうしても会計の本質が理解できなかった。実際に企業の向上を視察したときに「ああ、これが在庫か」と妙にしっかり実感できた。工場で働いている人を見て、自分の座学で学んできた会計全体が理解できた気がした。体験こそいちばん効果の高い学習法である、まずは行動、まずは体験。
・新しいビジネスを立ち上げるときも、斬新なアイデアを思いつくのは大変なことである。ネットで生命保険を売るという発想だっていろいろな人が考えてきたことだが行動した人はそんなにいなかった。行動した人が一人勝ちなのである。9割は行動できるかどうか。「やればできるけどやらない」ではない。やることが大切なのだ。
現場に行ってみること、その場ですぐ実行すること、の大切さが語られている。研究活動をやっていてもそうだ。ふらっと現場にいくと新しいアイディアがうかんだり、理解が深まったりする。その感覚が大切なんだ。

■インプットは道半分、アウトプットで情報が定着する【岩瀬】
・インプットした情報をしっかり自分に定着させるためには、意識的にアウトプットする必要がある。100インプットして、50アプトプットするぐらいの勢いが大切。人に教えるという行為はやってみるとなかなか難儀である。教えるという前提があれば、インプットの際も最新の注意を払って臨むこととなる。
・ある本を読んだ時の感銘を書き留めておくことも大切。書くことで情報としてて一着する。書く過程で、本当に自分がその内容を理解しているのか確認することもできる。効果的に理解の度合いを深めることができる。
ブログの良いところは、自分が書いたことに対して、親しい人はもちろん意外な人からちょっとしたリアクションをもらえるところである。そのリアクションをフィードバックすれば、より自分一人でインプットだけしているより効果的である。
私がブログをスタートしてみようと思ったのは、岩瀬さんのこのトピックを読んだのと「ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて」の影響がかなり強い。自分が感じたことや勉強したこと思考のの軌跡を何かのかたちでアウトプットしておくってかなり大切だと思う。ってか勉強も問題集を一気に解くほうがためになったりするし。


■遠回りは遠回りじゃない。好きなものと深く長く付き合う。【岩瀬】
・自分が本当に価値観を共有できる本だけをじっくりと読む。どんなに遠回りに見えても、何度も読み自分のモノのしてしまう。血と肉にするところまで、自分に定着させる。
何事も定着こそが大切。基本的なHBSでの勉強時間は予習3時間、授業1時間が基本的な勉強量だが、復習を12時間しっかりやっておくと断然違う。
新しい情報なり知識を自分のなかにインプットしたときに、内省というかセルフリフレクションの時間をいかに使えるか、が大切。だから映画を観ている時も、もちろん観ているその瞬間も大切だが、一緒に見た人となにを感動したのか、感想を語り合ったりするのがとても大切。素晴らし素材を何回も反芻することがとても大切。
・薄く広い人脈はほとんど意味を見出さない。自分にほんとうに合った人と深く付き合う方がよほど素晴らしいと思う。留学時は、誰もがネットワーク作りに励んでいたが、自分は、とにかく一生ものの友人を5人見つけようと感じ、とくかく少なく濃い関係を作りたいと思っている。
ビジネススクール時代の勉強スタイルが語られていた。ケーススタディ中心の授業であることを踏まえて、予習に力を入れたそうだ。まず十分な勉強時間は足りてますか?自身も自分の胸に手をあてて考えてみる必要がありそうだ。


漠然と接しない。トピックを設定して情報の中にチャンスを得る。
問題意識を持つ人もいる。僕は、どんな些細な情報であっても、そこで何かが感じられるかどうかである。勝負の分かれ目であると考えている。上司から日経新聞を読んだか聞かれ、「読みましたが何かと聞くと」ある新聞記事がいかに大きなビジネスチャンスを秘めているのかを背景から説明してくれたのだ。
・僕の上司は、「感じる力」を持っていた。何気ない新聞記事でも感じ方ひとつで、巨大なビジネスチャンスになる。新聞の小さな記事反応して、行動した人がチャンスになる。「こうゆう情報を知りたい」と常に意識して生活していることで付随する情報、関連する情報も含めて相当量が自分のなかに蓄積されてくる。国際金融やウェブサービスの最新動向もすべて自分のビジネスと関連づけることでニュースの意味合いが変わってくる。
・つまり、いかに自分のテーマを設定するか、である。ひとつあるいは、複数のトピックに関連する情報が自然と自分の集まってくる情報からどんな示唆を組みとれるか、それがどう事業に活かせるか?
・コンサルティング会社の新人時代、常にso what?」(だからなに?)、と言われた。いまでも僕は、情報がどのように具体的に役に立つのかを、自分自身に「ソーワット?」と問いかけながら、考えるようにしている。
情報だけでは役にたたない、それでどうする?という精神がとても大切。情報をパッチワークのように組み合わせていくと人生が実りのあるものになる。
このトピックは非常にかなり共感できた。コンサル会社では「so what?」が口癖だとというが、つまり何が言いたいのか?君はどうしたい?っていうか「落とし所」が大切なんだなあ。でもここで大切なのは圧倒的な情報収集力だと思う。まず知っていなければ、思考をスタートできない。


■メモをとり瞬間ごとに感じる【伊藤】
・具体論・各論にこそヒントが潜んでいる。
・手を動かす行為は脳に直接働きかける行為といわれている。記憶する際も実際に手使いながた覚えると効果的である。
・講演会などでもただ聞いているだけの人がとても多い。あるいは、会社の会議や打ち合わせの際にも、まったくメモを取らずに進行を耳でおっているだけの人がときどきいますが、仕事への意欲を疑いたくなる。
新しい発想やヒントを得たいといつも意識していれば、何げない人の発言のなかにも発見があるはずである。必然的にメモを取ることになるし、こうして意識化・可視化していくことが大切。記憶にも残りやすくなる。
・メモを取る際の黄金のルール。①聞いた瞬間「あれ?」と思った瞬間必ず書き起こしておく。その疑問は抗議が終ったらすぐ解決する。具体例こそメモを取るべし、である。往々にして聞き流してしまがそ、話し手のオリジナリティが込められている。具体例にこそ、相手がわざわざ準備して考えたオリジナリティがある。
つっこみや疑問をメモしながら講演を聞くってのはいいな。具体例にこそエッセンスが込められている。本で読んだり、調べたりした内容を実際にセミナーを聞きながら質問して解決するってもの実践的。

■読書は時間を増やす。すきま時間を有効活用する。【伊藤】
・直接的な経験が追い付かなくても、本を読むことで間接的な経験をして、ひとまわりも、ふたまわりも大きく成長できる。とはいえ、読書の時間自体を確保することが難しいのが、忙しい現代人の悩みである。
・内容としては、抽象論よりも具体例がふんだんに紹介されている本が良い時間としては、といった決まった時間だけでなく、たとえば会社の行き帰りの電車や、ふと空いたわずかな時間を活用するのも手である。特に、短時間で読むのに適した本を常に携帯しておいて「すき間の時間」を有効に使う。知的貪欲さを持ち続ければ、必然的に細切れの隙間時間を使う工夫が生まれてくる
・司法試験の勉強をしている時も、自作の「論文問題模範解答集」を常に携帯しておいて、信号待ち、駅のホームで電車を待つとき、食事がくるまでの間常に目を通していた。
キーワードは「知的貪欲さ」だと思う。何かを知りたい!どうしても詳しくなりたい勉強したいという熱意があれば、自然と空き時間も本や雑誌に手が伸びる。最近その感覚が湧いてくるようになった。

【まとめ&感想】
このブログを始めてみようと思ったのは岩瀬さんにかなり影響を受けている。必死に学んだり興味を持って調べたことをかたちに残したり、書き出してアウトプットすることで定着化していく作業ってすごい大切なんじゃないのか?っていう動機からスタートした。
ライフネット生命は岩瀬大輔さんが率いる駆け出し中のネット生保ベンチャーである。これからも応援したい。そして、資格試験合格法として、伊藤真さんの本もこれから参考にさせて頂きたい。

筆者たちの著作はこちら!
ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて
カリスマ塾長が教える 一冊の手帳で試験に合格する勉強法

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