2010年12月30日木曜日

「突破力」を読んで

田原総一朗責任編集 2時間で人生が変わる! 嫌われることを恐れない突破力! 世間という牢獄から脱出する方法 (2時間で人生が変わる!)
田原総一朗責任編集 2時間で人生が変わる! 嫌われることを恐れない突破力! 世間という牢獄から脱出する方法 (2時間で人生が変わる!)

経済評論家の勝間さんと元ライブドア社長のホリエさんの対談本。出る杭は打たれる。amazonの書評レビューでたたかれまくる勝間さん。現役社長時代はメディアから総バッシングをくらった堀江さん。田原総一郎さんをはさんでのお二人の対談集。
僕が思うに二人とも何かをめちゃくちゃやりすぎてしまった人。やりすぎて人よりもめちゃくちゃすごい結果を出して突き抜けてしまい、目立ってしまった。だから嫌われた。でも、それを突き抜けられる力があるのがこの二人なんだなあ。
印象に残った部分は以下。

■成功の秘訣は情報収集力
・エレベータを待っているほんの5分間でも、iphoneでニュースとツイッターをチェックして、情報収集する。専門家のブログやツイッターやブログのコメントなどいろいろな切り口から情報を把握できる。
・自分から情報収集に積極的に語りかけると人とネットワークができる。本当にそのことが知りたければ情報源にあたりに行く。本省とからでも資料を取り寄せる

1秒も無駄にしない姿勢がすごい。この人たちガチだなって感じ。だからすごいんだと思う。

■木村剛だけがなぜ狙われた?
・日本の金融が国際的にだめなのは、財務省の縛りというか規制が強すぎるから。護送船団方式の流れがまだ残っている、ビックバンによって風向きを変わりかけたが。日本の銀行や証券会社はすぐれた金融商品がつくれない。銀行も新規参入ができない、球団やテレビ局と同じ。つい最近、イーバンクが40年ぶりに銀行の免許を取得した。
・頭のいいひと達が悪いひとたちから搾取している。たとえばJAバンク。農家から預金を集めて、農業のためによりよい使い方をするのが普通(農機具のリースとか)。だが、ほとんどが金融商品の販売に使われている。農林中金にまとわりついた金融を正常化すること。
・中小企業金融は難しい。貸し倒れリスクが非常に高い中小企業に高い金利で貸し付けるのは仕方ない。少なくとも20%は普通。グレーゾーン金利を禁止したのは改悪。

ホリエモンさんが農協を中心とした金融を正常化すべきだと強く主張している。日本全国の優良な農家から吸い上げたお金を農林中金がサブプライムローンみたいなわけわかんない金融商品に投資しまくって大損をこいている。木村剛さんだけでなく、断罪されるべき存在はもっといるのでは?

■孫正義と堀江の違い
PDCAサイクルをうまいことまわせているのが孫正義。金融業界では虚業であると言われていた。90年代後半から失敗の連続が続いた。ゲームバンク設立、テレビ朝日の株式買い増し、ジフ・デイビス資本参加、日本債券銀行への出資などすべて失敗していたが、ボーダフォン買収にてすべてをひっくり返した。
・一度宣言して実行したものを、少しずつ修正したり、変えたりしながら前に進んでいる。それから、NTTに嫌気がさしていた取り巻きを一気に味方につけた部分も大きい。大衆や業界人の扇動の仕方がうまかった。

ソフトバンクの孫さんと元ライブドアの堀江さんの経営姿勢の違いが分かる。孫さんはいろいろやりまくってもそのあとの引き際の良さとフィードバックができているってことなんだろう。光の道構想もぜひ実現してほしい。

■これからの成長産業
・必要なことの二つの切り口
(1)緩やかなインフレ状態にしてデフレ状態にしてなんとなく成長した感覚にさせる。日銀が23%の物価上昇を目標に掲げる。国債などを買い取るなどして、緩やかなインフレにもっていく。インフレターゲットを発動すること。
(2)デフレ・インフレどうこうよりも、環境・IT・バイオなど成長可能性の高い分野に投資して成長する構造改革路線。

勝間氏が経済成長改革路線として①日銀が積極的に介入してインフレターゲットを行う無理やり数字をいじくる方策、②イノベーションを起こして産業の根幹から構造改革すべきだ、、という二つの方策を示している。組み合わせもあるよね。

■農業は成長マーケットだ!
食糧自給率なんてどうでもいい。海外と貿易することを目標に、システムを全部見直す。FTAをやってオープンな競争をさせる。デフレ脱却、円高是正を進めつつ、FTAを推進して、農家にも海外で自由にものをうらせるようにする。日本の農家は絶対国際競争力があるはず。
米の自由化を行って、海外から米をどんどん輸入する。外国でジャポニカ米をつくって輸入する。トヨタ自動車ように海外デビューさせてから輸入させる戦略と同じ。

TPP問題で揺れる現在、農業の在りかたは重要だな。医療と農業は基本的に国に張り付いてるからな。結構難しいけど大型の改革をすれば、日本は変わるか?

【まとめ&感想】
人に嫌われたらどうしようとか、そんなんどうでもいい。徹底的に情報収集して、勉強して、起業して突き抜けろ。そんな声が聞こえてきそうな本。人からこんな風に思われたらどうしようとか悩んでいる時間自体たしかに無駄なんだな。。。

勝間本とホリエ本での必見の二冊はこちら。お金のあり方力強く主張している。
新・資本論 僕はお金の正体がわかった (宝島社新書)
勝間和代のお金の学校―サブプライムに負けない金融リテラシー

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